手当たり次第の読書日記

手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。

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ひとのあかし/若松 丈太郎
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  4万5千の人びとが2時間のあいだに消えた


  サッカーゲームが終わって競技場から立ち去ったのではない


  人びとの暮らしがひとつの都市からそっくり消えたのだ


  ラジオで避難警報があって


  「3日分の食料を準備してください」


  多くの人は3日たてば帰れると思って


  ちいさな手提げ袋をもって


  なかには仔猫だけをだいた老婆も


  入院加療中の病人も


  1100台のバスに乗って


  4万5千の人びとが2時間のあいだに消えた




  鬼ごっこする子どもたちの歓声が


  隣人との垣根ごしのあいさつが


  郵便配達夫の自転車のベル音が


  ボルシチを煮るにおいが


  家々の窓の夜のあかりが


  人びとの暮らしが


  地図のうえからプリピャチ市が消えた


  チェルノブイリ事故発生40時間後のことである


  1100台のバスに乗って


  プリピャチ市民が2時間のあいだにちりぢりに


  近隣3村をあわせて4万9千人が消えた




  4万9千人といえば


  私の住む原町市の人口にひとしい


  さらに


  原子力発電所中心半径30㎞ゾーンは危険地帯とされ


  11日目の5月6日から3日のあいだに9万2千人が


  あわせて約15万人
 


  人びとは100㎞や150㎞先の農村にちりぢりに消えた


  半径30㎞ゾーンといえば


  東京電力福島原子力発電所を中心に据えると


  双葉町 大熊町


  富岡町 楢葉町


  浪江町 広野町


  川内村 都路村

  葛尾村
  小高町

  いわき市北部
  

  そして私の住む原町市がふくまれる


  こちらもあわせて約15万人


  私たちが消えるべき先はどこか


  私たちはどこに姿を消せばいいのか


  事故6年のちに避難命令が出た村さえもある


  事故8年のちの旧プリピャチ市に


  私たちは入った




  亀裂がはいったペーヴメントの


  亀裂をひろげて雑草がたけだけしい


  ツバメが飛んでいる


  ハトが胸をふくらませている


  チョウが草花に羽をやすめている


  ハエがおちつきなく動いている


  蚊柱が回転している


  街路樹の葉が風に身をゆだねている




  それなのに


  人声のしない都市


  人の歩いていない都市


  4万5千の人びとがかくれんぼしている都市


  鬼の私は捜しまわる


  幼稚園のホールに投げ捨てられた玩具


  台所のこんろにかけられたシチュー鍋


  オフィスの机上のひろげたままの書類




  ついさっきまで人がいた気配はどこにもあるのに


  日がもう暮れる


  鬼の私はとほうに暮れる


  友だちがみんな神隠しにあってしまって


  私は広場にひとり立ちつくす


  デパートもホテルも


  文化会館も学校も


  集合住宅も


  崩れはじめている


  すべてはほろびへと向かう


  人びとのいのちと


  人びとがつくった都市と


  ほろびをきそいあう




  ストロンチウム90 半減期  29年


  セシウム137   半減期  30年


  プルトニウム239 半減期  2万4000年


  セシウムの放射線量が8分の1に減るまでに90年


  致死量8倍のセシウムは90年後も生きものを殺しつづける




  人は100年後のことに自分の手を下せないということであれば


  人がプルトニウムを扱うのは不遜というべきか


  捨てられた幼稚園の広場を歩く


  雑草に踏み入れる


  雑草に付着していた核種が舞いあがったにちがいない


  肺は核種のまじった空気をとりこんだにちがいない


  神隠しの街は地上にいっそうふえるにちがいない




  私たちの神隠しはきょうかもしれない


  うしろで子どもの声がした気がする


  ふりむいてもだれもいない


  なにかが背筋をぞくっと襲う


  広場にひとり立ちつくす



19年前に、福島県南相馬の詩人が書いた詩です。

別冊 花とゆめ 2013年 04月号 [雑誌]/著者不明
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書店で雑誌の表紙を見るなり、思わずおおーっと声をあげてしまいそうになりました。

菅野文の新選組もの!

いやあ実に8年ぶりですよ。この人の「凍鉄の花」シリーズや「北走新選組」シリーズは、何というか「本人を直接にはなるべく描かないことによる土方歳三もの」という感じです。個々の物語の主人公は沖田総司や野村利三郎や相馬主計なのですが、しかしシリーズ全てを通して読者に最も強く印象づけられるのは、沖田や野村や相馬らが常に強烈に意識せざるを得ない土方歳三の絶対的な存在感なんですね。

そして今回、その目を通した土方像を描き出す役割を担うのは斎藤一、これはもう待ってましたという感じです。まさか8年も経ってからまた読めるとは、と感慨にふけったところで気がつきました。

斎藤一と土方歳三の物語にするとなれば当然会津戦争の話抜きではありえず、つまりこれは大河ドラマ「八重の桜」便乗企画(タイアップ企画?)な訳であります。

とはいうもののそれがストレートな会津藩ものにはならず、斎藤一の話になる辺りがこの作者。を「いや、だってほら今放送中のドラマの便乗企画だから」という口実のもとにまんまと少女マンガ誌でむさっくるしい新選組を描いてのけることに成功した、という気配がほの見えてます(笑)。

この8年ぶりの新作で、自分がこの人の描く新選組を好きな理由を改めて確認できた気がしました。

以前に「龍馬伝」の視聴日記をやってた時に書いた憶えががありますが、「さよか」((c)斎藤美奈子)があっちゃいけないんですね、歴史ものは。登場人物がその行動をするのは、だって事実そうだったからなんだもん、では駄目。史実をただなぞっただけのストーリーでは作品として成立していない。あくまでも、この物語の中でのものとして人物像は確立していなければならないし、言動にも必然性がなければなりません。

で、ちょっと話がずれてしまうんですが(汗)、そういう意味で「八重の桜」はいささかおとなしいかなというのが私の感想です。先日の、会津藩一行が京都に到着してから松平容保が過激攘夷浪士への怒りをかき立てられるまでのくだりは、司馬遼太郎「王城の護衛者」をそのまま映像化したかのように見えました。「そうそう、いかにもこんな感じ」ではあっても、「このドラマならではの容保公」というようにはあまり見えないんですね。「新選組!」や「篤姫」や「龍馬伝」や、そして幕末ものではありませんが去年の「平清盛」のような、「こう来たか!」はないんです。

その点、菅野文描くところの新選組は「こう来たか!」満載。斎藤一と会津藩との関わりをどういうものとして設定するか、壬生浪士組に加わった理由は何なのか、土方歳三との関係は──全てが「この物語の中での出来事」としてきっちりと構築し直されています。やがて斎藤の妻となる時尾や中野竹子といった脇役陣の登場の仕方も、ただ単に幕末史における会津の有名な名前を出してきたという感じがありません。

短期集中連載のまだ第1回目を読んだだけですが、数ある新選組マンガに新たな名作が加わったという確信を既に覚えています。

みんなの あるあるプロ野球DX/カネシゲ タカシ
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うーん、残念。まだ画像はなかったですかー。

ツイッター「野球大喜利」単行本化第2弾、今回は何とカラー表紙というデラックスの名に恥じぬつくりになっているのですが。

カネシゲ監督のツイッターで表紙の写真が紹介されていたのですけれども、アマゾンや楽天でまで画像が観られるのはやはり発売日以降かな。

と、今から大騒ぎしているのでお気づきの方もいらっしゃるのではと思いますが、はい、不肖私め前回に引き続きネタを採用して頂く光栄に浴することができました!

……とはいうもののこれまた前回に引き続き、「自分が何のネタを投稿したか忘れた」という「大喜利あるある」状態なんですね(笑)。

発売日は3月2日! あと10日あまり、楽しみに待ちたいと思います。

冷血(上)/高村 薫
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今更何をという感じですが(汗)、あけましておめでとうございます。

こんな有様のブログですが、お気が向かれましたら本年も引き続きよろしくお願いいたします(ぺこり)。

……という今年最初のブログ更新がこの本か、と自分でもちょーっと思わないでもないんですけれども。

未読の方も画像を見て頂ければお判りになりますが、上下巻です。しかもそのそれぞれが充分に厚い! しかもしかも中を開けば2段組み!! つまりもっの凄く長い小説だということです。しかもしかもしかもその長い小説の作者は高村薫!!!

いやもう、読み応え、なんてな生易しいもんじゃないです、はい。


2002年12月の夜半、東京は世田谷の裕福な医師の家族4人が強盗に惨殺された。やがて逮捕された2人の容疑者。彼等は最初から犯行を認めており、物証も山のようにある。しかし、合田警部をはじめ捜査に当たる刑事達は、取り調べを進めれば進めるほど、むしろこの事件が判らなくなっていく──。


というのがこの小説の発端、なのではありません。

全部、です。

いや、ほんとにそうなんですよ。最初から最後まで、「この事件は一体何なんだ?」という執拗なまでの問いかけに終始している小説です。

物証もあれば自白もある。けれどもその自白が、たとえば犯行の具体的な手順等について詳細であればあるほど、「では何故そうした?」ということがどんどん曖昧になっていく。犯人達に、言い逃れようなどという意図はありません。ただ、彼等自身にも本当にどうしても判らない。押し入る先が特にその家でならなかった理由も、寝入っていた子供達までをもわざわざ殺さなければならなかった理由も。その行為に及んだ瞬間が過ぎ去ってしまったあとでは、全てが最早不明なのです。

執拗な問いかけの、答えが明瞭な形で得られることなど多分ないと、刑事達も承知していながら、それでも尚も問い続け、犯人達のこれまでの人生のどこかに答えの鍵が潜んではいないかと、いつ終わるともしれない捜査が続いていきます。

そんな答えなど本当に必要なのかと、もしかしたら訝る読者もいるのではと思うほど。金が欲しいから適当に押し入った、で何故いけない。家人に見つかったから何も考えずに殺した、では何故いけないのか? 物証も自白もあり、裁判になっても争う余地など何もない筈。

こんな残虐な犯行に手を染める最低の奴等が心の奥底で本当には何を考え感じていたかなんて、そんなもんどうだっていいことじゃないのか……!?

という作品では、これは、全然ないんですよね。

書き下ろし作品ではなく初出は週刊誌への連載だったということですが、連載当時の読者は、さぞかしもどかしくいらいらする思いで読み進めていたのではないかと想像します。今回こそ何か大きな進展がみられるのではと思っても、いつまで経っても全てはじれったいほどに少しずつしか進んではいかない。結局また何も判らないままだったではないかと地団太を踏みながらの更なる1週間。

ふっと、『模倣犯』(宮部みゆき)を連想しました。といってもこの2作品が似ているというのではありません。初出が週刊誌連載の大長編という点は共通していますが、作品そのものは実に対照的です。

敢えて言ってしまうと『模倣犯』には、作者が意図的にそう書いたのかどうかは判らないのですが「俗情との結託」(Ⓒ大西巨人)めいたものをそこはかとなく感じるのです。もっと普通の言い方をすれば、「読者に対して親切である」ということになるでしょうか。

週刊誌の連載という細切れの形で読むことになる、この作品の最初の読者に対して、「続きは1週間後か……あーあ、ちっとも進まないな」などとは間違っても感じさせない、「早く続きが読みたい!」と思わせないではおかない書きっぷりです。

でも高村薫には、そういう種類の親切さはあまり見当たらない。

小説の冒頭、やがて起こる殺人事件の加害者となる男達と被害者となる医師一家の長女、その2人と1人の視点が交互に語られます。自分達家族を待ち受ける運命を知るよしもない中学生の少女の、青春のとば口に今まさに立とうとしている心の動きが何と繊細に描写されていることか。この瑞々しい命が無残に奪われたことへの怒りを、読者の胸にかき立てずにはおかない構成──とは、実は単純に言い切ってしまうことが私にはできません。

というのは、これでもかとばかりの克明さと詳細さで描かれる、加害者2人と被害者一家の生活は、どちらもあまりにも「極端」なものだからです。

携帯サイトの掲示板で見つけた仕事の口が明らかに犯罪であるらしいと判っても、別段何とも思わずにそのまま受け入れようとする男と、その募集の書き込みをした男。まるで行き当たりばったりの彼等の有様は、読者の殆どにとって自分の生活圏内には考えられもしないものでしょう。

しかしその彼等の対極に位置する被害者一家もまた、やはり読者の大半とは遠い存在なのではないでしょうか? 絵に描いたようなエリート医師の両親。大学付属の中学校に通う長女は、単に勉強ができるというだけにとどまらない、知的な早熟さの片鱗を覗かせています。

この事件の当事者達は、誰ひとりとして「普通の人々」ではないんですよね。読者は彼等の誰にも、簡単に感情移入することができません。

殺人事件を扱った小説で、被害者にも加害者にも感情移入ができなかったらどうなるか。「事件解決によるカタルシス」は、遂に得られないまま終わる、ということです。

『模倣犯』は、いかにも練達の書き手ならではの、小説らしい終わり方をしてくれました。読者が、ああ面白かった、と呟いて本を閉じることができるエンディングです。

でも、この『冷血』は──読み終えて本を閉じたあと、読者はしばし呆然として絶句したままでいるほかはないような、そんな小説でした。

ははは、去年も一昨年もぎりぎりだったけど今年は違うぞ!

……ともあんまり言いきれない、期限1週間前での回答になってしまいました。

しかも今年は夏頃からブログをほったらかしにしてしまったため、せっかく優勝した年だったというのに、肝心の優勝争い佳境の辺りの話を何もできなかったという……面白い雑誌記事とか結構あったんですけどねえ。面目ない。

という訳でルパート・ジョーンズさん「にわか日ハムファンのブログ」 恒例企画「プレイバック・ファイターズ」、2012編でございます。

1.今年活躍したと思うファイターズの投手をお答えください。(3名まで)

自分内ルール「去年も活躍してた人以外」があるのですが、ちょっと例外で。


吉川光夫

「イマイチだったと思う選手」に彼の名前を挙げた1年前。この項目で彼の名前を書ける日が来ることを、期待はしても予想は全くできませんでした……! 遂に・とうとう・ようやく・やっと……感無量です(涙)。彼が堂々とローテを守っているなんて。「新エース」と呼ばれているなんて。それもシーズンの中でどんどん成長していって、序盤は力投の余り5~6回で息切れしていたのが、遂には完投を期待していい存在にまで……。


武田勝

毎年安定した成績を残している勝さんなので、自分内ルールからいえば外して然るべきところなのですが、今年はそうもいかないでしょう。二番手が我が立ち位置と自ら定めていたような感のあった彼が、投手陣のリーダー格という役割を進んで引き受け、見事にやり遂げてくれたのですから。


森内寿春

終盤さすがにちょっと息切れしてしまったようですが、前半戦の働きっぷりは予想以上でしたね。



2.今年活躍したと思うファイターズの野手をお答えください。(3名まで)

これも前問と同じく「去年も活躍してた人以外」で。


鶴岡慎也

いや、別に彼がこれまで活躍してなかったというんじゃないですよ! ただ、今年は初めて「正捕手と呼ばれる存在」となったように思うので。「財界さっぽろ」誌のファイターズ特集を見たら、梨田前監督が優勝の最大の功労者として彼を挙げていました。吉川の成長と頑張りがクローズアップされる優勝でしたが、それも捕手の力あってこそ、というのが梨田さんの見立てでした。


二岡智宏

つくづく味方でよかったと思ってしまう必殺仕事人っぷりでした。ファイターズにおける代打の「切り札」は既に通り越して、「神様」になりかけているような気すらします。


西川遥輝

去年ここで名前を挙げた今浪と同じく、「活躍した」とはっきり言い切ってしまったらちょっと甘いかもしれませんが期待も含めて。去年と同じく田中賢介離脱がありながら、今年は失速しなくてすんだのは、彼の存在がかなり大きかったと思うのです。



3.今年イマイチだったと思うファイターズの選手をお答えください。(3名まで)

イマイチだったというか、いなくて大いに計算が狂ったという顔ぶれですね。


ボビー・ケッペル

榊原諒

ターメル・スレッジ



4.来年が楽しみなファイターズの選手をお答えください。(3名まで)


谷口雄也

去年に引き続き。外野のレギュラー3人に普通に割って入るのは至難の業ですが、それこそ今年も糸井の故障離脱がありましたし、出番は必ず来ると思うんですよね。


中村勝

来年は彼が、今年の吉川のようにローテ定着となることを結構本気で期待しています。


近藤健介

高卒ルーキーであるにもかかわらず、なーんかもう何年もいるような落ち着きがありましたよね(笑)。今年はまだ「1軍の空気を吸わせてもらった」だったでしょうが、来年は鶴岡大野を脅かすぐぐらいのつもりで!



5.今年最も印象に残ったファイターズの試合をお答えください。(3試合まで)


3/31 対ライオンズ戦

開幕戦とどっちにするか迷いましたが、伏兵岩舘の活躍があったのと、賢介のヒーローインタビューが印象的だったのとでこちらを。「こういう試合が栗山野球だと思います!」と叫んだ彼の晴れやかで誇らしげな顔を見た時、今年はいけるんじゃないかと高揚した気分になりました。


5/20 対カープ戦

いつ終わるともしれない相手打線の猛攻撃を食い止めた陽のファインプレーも、「やっとこの回が終わったか……」くらいにしか思えずにいたその十数分後。よもやあんな大逆転劇が起ころうとは!


9/14 対ホークス戦

吉川光夫2安打完封勝利。しかもこちらの得点は僅か1点。しかも入ったのは8回裏。こんなしびれる完封勝利を、吉川光夫があげたのです……(感涙)。



6.今年最も印象に残ったファイターズの出来事・事件をお答えください。(3つまで)


リーグ優勝

開幕前の下馬評が低いのは毎年のこととはいえ、今年はさすがにちょっとむかっときてました。「ダルビッシュの穴は埋まらない、以上」で片付けている人があまりにも多いように思われましたので。2006年の優勝には興奮し、2007年には安堵し、2009年には感激しました。そして今年の優勝は、本当にしみじみと嬉しかったですよ。


ドラフト会議

去年とはちょっと違って、ドラフト会議直後よりもそのあとからのほうが、俄然盛り上がりを見せた(笑)今年のファイターズのドラフト戦略でありました。聞くところによればドジャースの小島スカウトは大谷君が1年生の頃から既に目をつけていたんだそうですね。それでも彼が最終的に下した決断はこうでした。ビジネス系のサイトや雑誌でファイターズフロント陣を評価する文章を複数見かけたのですが、なるほどなあと(笑)。


ポリー・ポラリス登場

すっかり希少価値の単独マスコットだったB★B。ついに世の趨勢に負けたか……と思いきや、妻でも恋人でも姉妹でもなく、熊でもないリスの女の子だったとは。これは予想外でした。



7.ファイターズ流行語大賞候補を挙げてください。(3つまで)


サンキューでーす

陽岱鋼ヒーローインタビューでのお約束。しかしこの第一声とインタビュー本編とのテンションの落差があまりにもあり過ぎると一部では指摘されている模様です(笑)。


ユニフォームを脱がす

吉川光夫覚醒の契機となった栗山監督魔法の言葉としてすっかり有名になりました。掲示板などでも、次に一皮むけてほしい選手の名前を挙げて「今度は誰々を脱がせてくれー」という用例を見たことがあります。


ハピネス!

シーズンオフになってからでも強烈なネタがとんでくる、さすがはこの設問に欠かせない男! 糸井がイベントで披露した「相手チームの外国人選手との会話」の一端です。ナイスバッティングと声をかけられて、返事が「今日はハピネス!」って……せめて「ハッピー」って言おうよ(そういう問題じゃない)。



8.ファイターズ以外で、今年表彰したいチーム・選手を挙げてください。(それぞれ1チーム・1人)


広島カープ

今年を代表する名著『みんなのあるあるプロ野球』で何と印象的だったのは、たった一言「5位」とのみ記されたカープのネタでした。そのくらいカープといえば5位、5位といえばカープだったカープが、4位になったんです。しかも一時は3位に上がろうかという勢いだったんです! なせばなる!


李大浩

来日1年目が終わらないうちにこんなにきっちり適応してくるとは、シーズン序盤は正直なところ思っていませんでした。負けが込んでいるチームは何かと不協和音が報じられたりもするものですが、1年目の助っ人選手である彼がその中で孤軍奮闘、チームを盛り上げようと頑張っていたとも聞きました。「助っ人選手は打ってさえくれればいい、人柄なんてどうでも」と言う人もよく見かけますが、やっぱり人柄も大事ですよー。



9.ファイターズ戦以外で、今シーズンのベストゲームを1試合だけ挙げてください。(1試合のみ)


10/8 ホークス対バファローズ戦

小久保引退セレモニーを控えた試合で西がノーヒットノーラン。休むことなく世代交代は常に起こり続けているんだと、実感した試合でした。 



10.ファイターズが日本シリーズで優勝するために、最も必要なものは何だと思いますか?1つだけお答えください


日本シリーズに出場すること。

いや、真面目な話これに尽きると思うんです。

何回優勝を重ねたからって、「勝って当たり前」になることなど決してないですよ。ドラゴンズが二度目の日本一に輝くまでには、56年かかりましたよね? 



11.最後に、2013年に向けてファイターズに一言。

来年は栗山監督2シーズン目。今年は正直、まだまだ周りを見て抑えていた部分があったのではないかと想像しています。今年1年の経験を経た上での来シーズン、どうなるか全く判らないだけに却って非常に楽しみです。



さて、ここから先はテンプレートです。まだ1週間ありますので、皆様どうぞご参加を。



- - - - - - - テンプレートここから - - - - - - -


【2012年ファイターズ回顧企画】『プレイバック・ファイターズ2012』

○ 企画の趣旨 ○
 気がつけば3年ぶりのリーグ優勝。そんな2012年のファイターズを、楽しく振り返ってみませんか?

◎ 参加方法 ◎
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☆ 質問 ☆
※振り返るのが目的ですので、極力理由もお書き添えください。

0.(ファイターズファン以外の方のみお答えください)一番好きなチームはどこですか?
1.今年活躍したと思うファイターズの投手をお答えください。(3名まで)
2.今年活躍したと思うファイターズの野手をお答えください。(3名まで)
3.今年イマイチだったと思うファイターズの選手をお答えください。(3名まで)
4.来年が楽しみなファイターズの選手をお答えください。(3名まで)
5.今年最も印象に残ったファイターズの試合をお答えください。(3試合まで)
6.今年最も印象に残ったファイターズの出来事・事件をお答えください。(3つまで)
7.ファイターズ流行語大賞候補を挙げてください。(3つまで)
8.ファイターズ以外で、今年表彰したいチーム・選手を挙げてください。(それぞれ1チーム・1人)
9.ファイターズ戦以外で、今シーズンのベストゲームを1試合だけ挙げてください。
10.ファイターズが日本シリーズで優勝するために、最も必要なものは何だと思いますか?1つだけお答えください。
11.最後に、2013年に向けてファイターズに一言。


● 参加に際してのお願い ●
1. 各質問の後ろに書いてある回答数の制限は、必ずお守りください。指定回答数をオーバーした場合、その質問の回答はすべて集計から除外いたします。
2. 笑える範囲の自虐ネタはもちろんOKです。ただし、回答が質問からかけ離れていたり、誹謗中傷にあたると当方が判断したエントリまたはコメントは、集計から除外の上、予告なしに削除されることがあります。
3. 一部の質問のみにしか回答していないエントリまたはコメントは書き捨てと判断されることがあります。その場合、集計から除外の上、予告なしに削除されることがあります。
3. 混乱を避けるため、このエントリに他球団企画へのご回答を送るのはご遠慮ください。もし送られた場合、そのエントリは予告なしに削除されることがあります。
4. どなたでもご参加いただけるように、ブログで参加される方は、ご回答の後ろにこのテンプレートをコピーして貼り付けていただけると嬉しいです。

□ 締め切り □
 締め切りは2012年12月23日(日)23時59分59秒とさせていただきます。
 それ以降もご回答は受け付けますが、集計には反映いたしませんのでご了承ください。

◇ 企画元 ◇
にわか日ハムファンのブログ 』(管理人:ルパート・ジョーンズ)

残暑にめげてほったらかしているうちに、秋がすっかり終わってしまいました……。

またぼちぼちと始めます。お気が向かれましたらどうぞお付き合い下さいませ(平身低頭)。

それから、以前にもさんざん愚痴った「トラックバックができなくなっちゃったよー」への対策として、別館ブログを開設致しました。

「別館・手当たり次第の読書日記」

次回更新から、こちらにも同内容の記事をアップします。

稲妻 (ハヤカワ・ミステリ文庫―87分署シリーズ)/エド マクベイン
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ひょんなことから、もう20年も前に読んだこの作品を思い出しました。

アメリカで、共和党のある下院議員がとんでもないことを口走ってしまったというんですね。彼はかねてよりいかなる人工妊娠中絶にも反対であるという立場を表明していた訳なんですが、そこでこういう質問を受けた。レイプ被害にあって、それで妊娠してしまった場合でもですか、と。

それでも、です。彼がもしもこう答えていたのだとしたら、それはそれで彼の信念であるとして受け取られていたのかもしれません。しかし、彼が実際に発してしまった答えというのが、こうでした。

レイプで妊娠することは非常に稀だ、女性の身体はそれが「本当のレイプ」なら丸ごと拒否する──。

つまりどういうことかというと。

「意に反した性行為で妊娠させられた」などありえんと、そう彼は言っている訳なのですね。

妊娠したなら、つまりその女性はその性行為を受け入れていたことになるのだ、と。

場所もあろうにテレビのインタビューでこういう非科学的かつ女性への理解も配慮も何もないことを言ってしまったが為に、まあ当然の反応というべきか、彼は今批判と非難の集中砲火を浴びている状況なのだそうですが。

妊娠中絶反対を訴えている人は、それがレイプ被害によるものであってもそう言えるのか?

エド・マクベインの「87分署シリーズ」でこの疑問が扱われていたことがあったなと、ふと思い出すこととはなりました。

路上のレイプ事件が多発しているアイソラの街。同一犯によるものだと思われるのですが、同じ女性が何度も襲われるなど、普通の(という言い方も変ですが)性犯罪とはどこか様相を異にしています。被害者達は、たまたま手当たり次第に襲われている訳ではないのではないか。もしかしたら犯人には何か理由があって、特に選び出した相手を襲っているのではないか? どんな些細なことでもいいから被害者達に共通点はないかと捜査を進めた刑事達は、彼女達の全てが、「胎児の権利」を主張するある団体に寄付をしたことがあったと突き止めます。

犯人は、人工妊娠中絶反対運動に怒りを抱いている男でした。尤も、彼ヘインズ自身の理由は、妻がカトリックの信仰を理由に避妊をしてくれず(自分がピルを服用することも、夫が避妊具を使うことも駄目)、これ以上子供は欲しくないのにまたできてしまった、という個人的な事情に端を発してはいるのですが。

「わたしには何もかくすようなことはないし、恥じることは何もない。もしわたしのような立場をとる人間がもっと大勢いれば、うわついた意見を無理に人に押しつけようとするあんな罰当たりのグループなんかに踏みにじられることもないだろう」と、逮捕された彼は取り調べで悪びれずに主張します。

彼が目論んだのは、中絶はいついかなる時もいけないと考えている女性達を「婦女暴行犯に妊娠させられた身」にし、中絶を選ばない訳にはいかない場合もあるのだと思い知らせることでした。いかに彼女達の信条に揺るぎがなくとも、自分自身がレイプ被害にあって妊娠してしまったら、それでも中絶しないでいることなど本当にできるものか──。

「わたしはこんなことをして、あの連中にどんなにまちがっているか思い知らせてやりたかったんだ」「自分たちの意志を簡単に人に押しつけることはできないのだとあいつらに示してやりたかった」と言う彼の供述書を読んで、捜査に当たっていた女性刑事アニーはこう思います。


 ヘインズは正義を悪と考えている。

 正義のほうはそれは正義と考えている。

 アニーは両方とも悪いと思った。

 アニーはときどき、人が人のことをほっておいたらどうなるだろうと考えてしまうことがあった。


人が人のことをほっておいたらどうなるだろう。

むしろそのほうが望ましい場合も、事柄によってはあるのではないでしょうか。

オリンピックの男子サッカー3位決定戦は日本対韓国という顔合わせでした。

というだけならまあ試合(と両方のテレビ桟敷の観客達)が普通にヒートアップするだけで済んだのでしょうが、よりにもよってこの試合の直前に、韓国の李大統領が両国の揉め事の種である竹島に上陸するというパフォーマンスをやらかしたため、ヒートアップのレベルが尋常じゃなくなってしまいました(苦笑)。

勝った韓国代表の選手の1人が、試合後に竹島領有権を主張するメッセージを掲げたということで問題になっています。オリンピックでは、政治的主張を持ち込むことは内容の如何に関わらず御法度ですからね。勿論彼自身も短慮だった訳ですが、元はといえば大統領がいけませんよ。任期が残り僅かで支持率も低く、次の選挙の為にはパフォーマンスが必要だったのだそうですが、百歩譲ってせめてこの試合が済んでからという訳にはいかなかったんでしょうか、ほんとにもう。

で、昨日今日とツイッターのタイムラインを眺めていたら、「スポーツに政治を持ち込んではいかん」という正論があちこちで語られていた訳なのですが。


 スポーツの世界は因縁対決の宝庫で、政治が絡むほど面白いという皮肉な面も持ち合わせている。


奥田英朗さんがこう言い切っていたのを思い出しました。


 サッカーのダービーマッチは、どこも宗教と階級の代理戦争であるし、かつてオリンピックの黄金カードは、バスケットボールも、アイスホッケーも、アメリカ対ソ連であった。日本人にはピンと来ないが、ホッケーのインド対パキスタンは、戦争並みの盛り上がりを見せている(核保有国同士の隣国対決なんですね)。当然、主催者とテレビ局にしてみれば、これはドル箱にほかならない。


この文章が書かれたのは2010年秋。「中国漁船の領海侵犯事件と、その後に起きた中国側の報復措置により、すっかりチャイナ・アレルギーになってしまった日本人」という頃です。

スポーツ雑誌「Number」に連載されていたこのエッセイ、しかしさすがは筆者が小説家、第1回からしていきなり悪役横綱朝青龍の存在意義を力説したりしていたんですよね。日中関係が険悪になっているというのなら、スポーツ界もそれに乗っかれという話になるんです。


 サッカーと野球なら、まず日本が勝つ。中国代表チームを我が国に呼んでコテンパンにやっつけるのはどうか。日本人、溜飲を下げる。中国人、血管ぶち切れて領事館に押しかける。で、中国は報復措置として、卓球とバドミントンの中日戦を地元開催する。もちろん中国が圧勝するだろうから、中国人、大よろこび。日本人、苦虫を噛み潰す。双方、ナショナリズムのいいガス抜きになるのではないかと、わたしは思うのである。


これですよ。

「ナショナリズムのいいガス抜き」であるということ。

ここが大事なんです。

なのに、ガス抜きどころか余計に煽って火に油を注ぐようなことをやっちゃったのが、今回の李大統領パフォーマンスに始まる一件でした。

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昨日は8月6日。

ふと思い出してしまったのは、今から50年前に書かれたこんな詩でした。



感傷の糸につながれて

鳴かず

飛ばず

ただそよかぜにゆれて──

あまりにはかない祈りのかたち

千人針を縫った手が

性こりもなく千羽鶴を折る

ああもどかしい日本!

千羽は無力万羽も億羽も無力

あの巨大な悪の不死鳥と戦うには


もう折るな不妊の鶴は

祈るだけでは足りない

誓うだけでは足りない


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暑さに負けてご無沙汰しておりました。気がつけばロンドンオリンピックたけなわですね。

といっても実は私はオリンピックそっちのけでプロ野球中継にかじりついていたりするのですけれども(だってファイターズが好調なんだもん!)。

ただ、昨今はありがたきかなインターネット。テレビを観ている横でパソコンの電源も入れておくと、ツイッターのタイムライン上にオリンピック中継を観ている皆さんのつぶやきが時々刻々流れてくるので、観ていなくとも状況だけは結構リアルタイムで把握できたりするものです。

という、もっぱら文字に頼ったオリンピック観戦(?)をしている中で、しばしばこんなツイートに出くわすこととはなりました。

「知ってた速報」

ネット上で「知ってた」といえば、私が普段よく目にするのは「悪い予感がその通りになった」の意味での用例でございます。たとえばプロ野球で攻撃側が1点ビハインドの9回裏で1死満塁、マウンド上の投手は最近不安定、しかしながら打者もこれまたノーヒット続きというような場面。投手が打たれて逆転サヨナラとなれば守備側のチームのファンが、打者が併殺打をかまして一瞬にして試合終了となれば攻撃側のチームのファンが、「知ってた」の大合唱となる訳ですね。

しかしながらこの場合での「知ってた」とは、そういうような意味は含まないようですね。

テレビでオリンピック中継を観戦中、画面上部にニュース速報のテロップが流れます。何事かと思って見ると「ロンドン五輪 ○○で誰々が銅メダル」……って、今まさにその種目の放送中、競技の結果を目撃したところなんですけど!

どうもそんなようなことが起こっているらしく。

タイムラインを眺めていたら、この本のこんな一節を思い出しました。

F党宣言!---俺たちの北海道日本ハムファイターズ!/えのきど いちろう
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 九月二六日の対西武二三回戦、NHK-BS1生中継の画面上方に速報テロップが入った。

「西武4年ぶり16度目のパ・リーグ優勝達成」

 ありゃ、という感じだ。今、当の西武はウチと試合している。おまけにウチが勝っている。西武ベンチにカメラが切り替わったけれど、皆、敗色濃厚で難しい顔をしている。


2008年のことです。マジック1で迎えた試合、2位のバファローズが負けたために優勝決定。で、NHKはすぐさま速報を出した訳ですが……当事者であるライオンズの試合中継でまでそれをやる、ということになると、何だか変てこな印象になるのは否めないところ。


 僕のニュアンスでは、速報テロップは「関係ない番組」のとき出すものだ。ま、ドラマとかドキュメンタリーとかやってる最中に、「お取り込み中、すいません。どうしても大事なニュースなのでお邪魔しますっ」と来る感覚だ。不意打ちだ。不意打ちではあるけれど、事情が事情だけにこちらも「え、そうなの? また、首相が辞任なの?」と座ブトンをすすめる。そうすると先方は「いえ、これにて失礼します。おくつろぎのところ、申し訳ありませんでしたっ」と帰っていく。


「当のその事柄を放送してるチャンネルではテロップは出さない」っていうの、できないものなのかなあ、NHKさん。