「千羽鶴」 谷川俊太郎 | 手当たり次第の読書日記

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新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。

昨日は8月6日。

ふと思い出してしまったのは、今から50年前に書かれたこんな詩でした。



感傷の糸につながれて

鳴かず

飛ばず

ただそよかぜにゆれて──

あまりにはかない祈りのかたち

千人針を縫った手が

性こりもなく千羽鶴を折る

ああもどかしい日本!

千羽は無力万羽も億羽も無力

あの巨大な悪の不死鳥と戦うには


もう折るな不妊の鶴は

祈るだけでは足りない

誓うだけでは足りない


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